| シャオロンが琵琶の調弦と奏法について語る | ||
| 楽器メーカKORGでの対談から http://www.korg.co.jp/Product/Tuner/chineseinst/ |
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| ◆もともと琵琶を始められたきっかけは? S:中国では、小さい頃からみんななにかひとつ楽器を習っているんです。わたしはもともとピアノを習っていたので、実は琵琶を始めたのは遅いほうで、8歳から始めました。13歳で今は国立北京中央音楽大学となっている学校に入りまして、中学、高校、大学と学び、卒業後、上海の民族楽団に入りました。北京中央音楽大学には世界のトップ・アーティストが教えに来ており、私の琵琶の先生と小澤征爾さんがオーケストラで共演してアメリカや日本などいろいろな国で演奏したことがいちばん印象に強く残っています。 これからは中国から出て、西洋音楽も勉強したら、もっと発展していくかなと思いました。 それで、日本の東京芸術大学を目指したんです。でも、芸大には琵琶の専門の先生はいなくて、結局楽理科に入ったんですが。でも楽理科に入って音楽活動を始めたら、いろいろな人と演奏して、中国にいたらできないことが出来ました。中国では現代音楽、古典音楽楽団だと民族音楽しかできなかったんですよね。 日本に来たらピアノとギターと琵琶といった洋楽器と合奏する機会が多くて。こういった、洋楽器とのコラボレーションはまだ中国では出来ていない部分ですね。 ◆あなたにとって琵琶の魅力とはなんでしょうか? S:琵琶には4本のスチール弦があって、フレットがいっぱいあって….表現の幅がすごく広いですよね。 すごい激しい部分とすごく豊かで優しい部分の両方が表現できて、中国民族楽器の中でいちばん表現力がある楽器ですね。ソロ楽器にもなるし、伴奏楽器にもなるし、オーケストラと演奏したりとか、いろいろ演奏の幅がある。この間も「マツケン・サンバ」を作曲した宮川彬良さんと“NHKアジア・ハートフル・コンサート”にそろって出演。その後一緒にライブをやりました。あと宮川さんと平原綾香ちゃんのお父さんでサックス奏者の平原まことさんが作られた『アコーステックヤマト』の中の1曲に参加しました。スタジオに入ったときにはメロディーは宮川さんが弾き、それぞれパートを担当、その後3人でアドリブ゙!みんなすごくうまくて、ついていくのがたいへんですよねー。途中で編集できないし。6回くらい録り直ししました。こんなふうにいろんな仕事をして、すごく勉強になってます。 それに最近ジャズ゙も始めました。 ◆もともとの琵琶の表現力が、さまざまなタイプの音楽を演奏することによってさらに広がったということですね。ところで、その表現力を生み出す琵琶の弦はどのような音階になっているんでしょうか? S:外側からA、E、D、Aです。 ◆やっぱり、調弦はチュナーを使って? S:実は中国にいるときは全然チュナーを使っていなかったんですよ。ピアノと合わせてチューニング゙していました。自分の民族のメンバーの人はみんな調弦のことなんか気にしていなくて…。 でもピアノやオーケストラと一緒に演奏するようになったら、音が全然合わない。それから毎回ピアノと合わせるようになって、今ではチュナーを使うようになりました。 古典楽器は冷暖房による温度差でも調律が変わってしまうし、ステージ゙での照明でも変わるから、合奏したときバラバラになってしまうんですね。気にしない人もいるけど、音が合っていないと気持ち悪いから、みんな、チュナーを使ってほしい。私は毎回毎回、1曲ずつチュナーで合わせています。ソロでもアンサンブルでも。 琵琶の指導をしている生徒にも演奏を教えるより、みんながチュナーを持って、調弦を教える方が大切。 もしチューニング゙゙が合わないまま弾き続けると、耳の悪い人になっちゃいます。 これは楽器を習う上での第一条件です。もちろん中には気にしない人もいますけど。最初は耳が慣れていないからわからないので、だからこそ、最初に正しく教えないといけない、と思っています。今の生徒にも、時間がかかっても正しく調弦しなさい、家で弾くときも正しくチュナーと合わせてから弾きなさいって言っています。これ、すごく大事ですね。これは二胡のようにフレットがない楽器にはもっとも大切なことだと思っています。 ◆今回、AW-1を使ってみていかがでしたか? S:軽くて使いやすい!最初見たとき、すごくびっくりしました。 初めて見たのが琴に挟んであるときで、「これ何?」って聞いたらチュナーって言われて。「え?こんな小さいのあるの?」って。ああ、いいなって思っていたら、次の週、学校に行ったところ、「これがいいよ」って勧められて、「この間、見たチューナーだ!」ってわかりました。私、針で確認できるチュナーが好きなので、この液晶針で表示する方法もいいですね。今までクリップ式でないチューナーを使っていて、ステージのときはそれを持って上がって、合間に降りてチューニングしていました。それだと、シルクのドレスを着て膝の上におくと滑り落ちちゃう。でもこれだと楽器に付けてチューニングできるのでとても便利。 ◆AW-1だとベストパートナーのように使っていただけますか…? S:そうですね。みんなに勧めたいですね。私が使っている琵琶だけじゃなくて、二胡や琴にも良いですよね。中国の先生は耳で合わせなさいっていう人が多いんですけど、ぜひちゃんとチュナーを使っていただきたい。 それに中国ではチュナーもメトロノームもとても大きい物を使っていますから、小さいAW-1はほんとにいいです。 ◆中国古典楽器の演奏でもメトロノームをお使いになるんですか? S:学生のときは使っていなかったんですが、でも日本に来てからは必要だなと思って、生徒さんにも勧めています。基本的に、リズムも音階も正しく身につけてほしいんです。 ◆コルグにはMM-1っていうとても小さいメトロノームもあるんですよ。 S:メトロノームもこんなに小さいの?! すごい小さい! でもなんでこんなに小さくなったんですか? 楽器を弾いていると手がふさがっているので、耳に付けたら良いと思いました。それに耳元で聴くので他の音にまぎれなくて、いいんですよ。みんな、これ使いますよ、きっと。 ◆ところで、プラティア・アカデミーでのシャオ・ロンさんののレッスンは、どういうものでしょうか? S:今まではステージの本番が忙しくて、人に教える時間や機会がありませんでしたが、でも、ここのレッスンで、本格的に教えることができたら良いと思っています。私は最初から、プロのような弾き方、楽器の持ち方、音程の取り方、表現の仕方など、正しく、厳しく教えたいです。教えることは自分でも責任を感じます。教えることで自分自身が勉強になっている部分はありますね。今週出来なくて、来週できるようになっているとか、どうしてある人はできているのに、ある人は出来ていないのかとか。とりあえず無理でも正しく弾いてほしいです。 メトロノームとチューニング゙゙は絶対必要です。少し弾けるようになったら、メトロノームを使って正しく教えます。 わたしはメトロノームもチュナーもない状態で勉強したけど、もしかして最初から使っていたらもっとうまくなったんじゃないかと…。中国民族楽器同士だったら、自由に合わせられる、会話みたいにわかる。 だけど弦楽器四重奏や他の楽器とのアンサンブルではそうはいきません。最初から正しくしたほうが良いと思います。リズムと音程を気にしないで教えるのは良くないと思います。それに鏡も必要。正しいフォームを見て覚えて、弾いてほしいです。楽器の持ち方は大事です。最初から姿勢が正しくないと楽器が滑っちゃうから。 ◆シャオ・ロンさんの日本でのご活躍もそのいったんを担っていらっしゃるはずですが、中国音楽の日本でのブームをどのようにご覧になっていらっしゃいますか? S:中国と日本の間の文化、芸術の交流は1,000年以上の歴史があり、日本の邦楽は中国の影響を強く受けているのも事実です。 一方、日本のほうが古典芸術をとても大事にしているということにすごく感心しました。 「唐の文化は日本にある」という言葉があるくらいです。最近の日本の中国民族音楽ブームは静かではありますが琵琶奏者として非常にうれしく、より多くの日本の方が中国の音楽が好きになってくれればいいな、と思います。また、これから日本の邦楽、歌舞伎など伝統的な芸術をより多くの中国の人々に紹介できるよう努力したいと考えています。 |