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 こんな面白い旅行記があるだろうか。
 遠い空の下、未知の海へ、いろいろな言葉を話す人々。この雄大な地球の全てが、先生の心の中で数々の音楽として描かれていたに違いありません。
 コモドの大蜥蜴に追いかけられた恐怖、平原に突如現れた巨岩真っ赤に燃えるエアーズロック、「フィンガルの洞窟」では木霊する波頭の上げる重低音にメンデルスゾーンの作曲意図を聴き、広大さを拒絶するように万面が仏像で埋められたアンコールワット、太平洋に忽然と浮かぶ巨大な須美壽島、栄枯衰勢、売れっ子音楽家フォスターの悲惨な最期、先生の探究心と好奇心とが余すところなくユーモアー溢れる文章で綴られ、息をつくひまもなく興奮して読みました。  
 そして、その文章から発散する魅力的な旅への誘い表現に我を忘れて旅へ出たいという思いに駆られたのです。
 何しろ、種々の楽器が奏でる音楽にも似て、文章の醸し出す謂われないシンフォニーがあなたを感動の淵に追いやるに違いないのです。
 先生の語り口に似た、音楽と写真、二つの芸術が全く、異なる観点からこの巨大な世界を表現して、視覚と文章の持つ表現力で一層興味深いものにしています。(早崎日出太)
書  名 編 者 発行所 頁数 寸  法
九つの空 團 伊玖磨 朝日新聞社 362 185×213×00
 初版:1971.3 絶版
九つの空(新装版) 團 伊玖磨 朝日新聞社 252 150×175×18
 初版:1972.12.15  
 新装版:1975.6.30(0095−254299−0042)
九つの空(文庫)
項目名 頁数 掲載誌 掲載日 カメラマン
南海紀行(東京の無人島群) 9 季刊雑誌
週間朝日カラー別冊
1968.〜1971
1968.夏
1968.秋
秋元啓一
吉江雅祥
石の歌(アンコール遺跡群で) 45 1969.春 富山治夫
北の海で(スタッファー、そしてシェトランド) 73 1969.夏 稲村不二雄
燕窩行(燕の巣を訪ねて) 109 1969.秋 富山治夫
仙人掌と爆弾と(アメリカの砂漠で) 141 1969.冬 富山治夫
オラ(コモド島の大蜥蜴) 171 1970.春 吉江雅祥
スワニーの彼方
〜ステファン・フォスターの悲しみ
213 1970.秋 富山治夫
フォアグラ
    (鵞鳥と茸の不思議な結婚)
245 1971.正月 広瀬裕子
赤い岩(エアーズ・ロック周辺) 277 1970.夏 船山克
あとがき 307 1971.年初夏 スゥエーデン
ストックホルム