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團伊玖磨が作曲した広介童話を尋ねて「浜田広介記念館」2010.10.6(水曜日)快晴後雨
 (正確には濱田廣介、團伊玖磨/集英社=浜田廣介あるいは、濱田広介、現在では記念館を始め全て浜田広介と標記されている) 
 【團伊玖磨:浜田廣介の童詩による80曲集「こどものせかい」】 團伊玖磨の作曲作品「ひろすけ童謡集  團伊玖磨経歴
 浜田廣介全集第11巻 集英社刊)・目次アイウエオ順 サンケイ新聞記事 山形新聞記事      記念館PHTO1/PHTO2 参考文献
記念館内の展示他

著作本他童話本
遺愛品
自筆原稿
自筆絵画
写真
色紙
スライド
童話ルーム
企画展示
広介の生家
 
訪問当日撮影した生家と記念館正面(玄関左側に肖像)
 團伊玖磨が作曲した童話作家浜田広介の詩に想いを馳せた、山形県東置賜郡高畠町の田園の中にある「浜田広介記念館」(財団法人)を訪問する事が出来た。
 広大な敷地(18,569.19㎡)に広介の生家、江戸時代末期に建築された木造茅葺(現消防法により銅板葺)平屋建ての建造物で、広介が明治26年(1893)に生まれてから、米沢中学(現米沢興譲館高校)に入学するまで住んでいた。平成12年(2000)記念館敷地内に移築・復元された (記念館のパンフレットより)
 並んで円形屋根の「ひろすけホール」と、「本館」がある。広場のあちこちに石造の可愛い彫像や石塔がある。
 広介の童話には、河童や色々な動物や虫たちが登場する。その一つ一つの登場する鬼や小動物の詩を読むと、すべて、人に置き換えたくなる。
 「パイプのけむり」の著者でもあり、世界的に著名な團は、広介の詩に感銘し80曲ばかりを作曲した。私は、一遍一遍の詩について先生のユニークなお話を伺っていたが、ここには先生が「パイプのけむり」にお書きになった3編の文章の一部を掲載した。昭和52年(1977)頃、広介の詩を作曲をしていた時代の日々の事である。
 そして、昭和54年(1979)【浜田廣介の童詩による80曲集「こどものせかい」】がレコードになった。(ビクター音楽産業株式会社制作)
 「パイプのけむり」浜田広介の名前が3回出てくる。登場する俳優は「」と「」と「女郎蜘蛛」だ。
 團伊玖磨はある日、田越川の辺りを歩いていた。鎌倉時代後鳥羽上皇に味方して兵を上げた三浦郷党胤吉の子供たちが戦破れた後に田越川(後最後川)の川原で斬殺される。そのような悲惨な物語を河畔を歩きながら思い出していた。九官鳥の餌を買うために町に出てペットショップに立ち寄った。ふと見ると生後1ケ月位の5,6匹の兎が、可愛らしい仕草で團を見つめていた。気分が滅入っていたのと兎が余りにも可愛かったので、ここで、3匹の兎を購入し、多産な兎が家中を占拠する話に展開、増えた兎たちが巣穴を掘るために畠を台無しにするし野菜も駄目にする。作曲した浜田広介の詩「畠の兎」を思い出してしまう。そして、何万匹にも増えに増えた兎により家を占拠され、兎の餌代のために必死で働かなければならない。

◆畠の兎
 大根ばたけの夜あけ方
 ばらばら霞(あられ)がふりました 
 ばらばら霞のふるなかに
 ちらちらするもの あれほ何
 あれは ね 兎のながい耳
 ばらばら霞を聞ことてか 大根ばたけの日ぐれ方 
 さらさら霙(みぞれ)がふりました
 さらさら受のふるなかに 
 ちらちらするもの あれは何
 あれは 兎の白い手々
 こっそり 大根ほっている   (浜田廣介全集第11巻 124頁 集英社刊 昭和51年8月27日)

 正月、狭い日本という穴の中で鼠がぺこぺこしているという広介の詩「ねずみの元日」が、年が変わるという無意味さを正月の御節料理と共に検証されている。
 【・・・・・・今年も師走の風が吹いている。出掛け無いので判らないが、正月用品だの御節料理だのの売り出しも鋳では盛んに行われている事だろう。きっとジングル・ベルや浄しこの夜のあの平凡なメロディーが何の由縁も無い東アジアの街々に流れ、サンタ・グロースの飾り付けが赤い衣裳で街を悲しく彩っている事だろう。
 お正月はどうしますか、と家内が言ったのは、世間並みに、温泉にでも行くか、ハワイにでも行こうかと言われたかったからでは無いかとも思う。然し、何処に行っても人が一杯、海外も日本人で一杯と思うと、かえって普段と同じにしている方が静かに過ごせそうに思う。
 正月は、だから、普通に机に向かい、普通の食事をして、普通に生活しよう。そして、やがてお正月でも過ぎれば、家内の労に報いるために、フルムーン周遊券でも買って、何処かに旅に出ても長いと思う。】(團伊玖磨 よもすがら「パイプのけむり」第18巻より

◆ねずみの元日
 ねずみの元日 やねのうら
 ちいさな日の丸 たてました
 たのしい元日 がっ校で
 ねずみも君が代 うたいます
 ねずみの元日 あなのなか
 ちいさなでん車が はしります
 うれしい元日 おう来で
 ねずみもべこペこ おめでとう   (浜田廣介全集第11巻 123頁 集英社刊 昭和51年8月27日)

 ・・・・・昔、女郎蜘蝶が出て来る子供の歌を作った事がある。日本の児童文学に優れた業蹟を残された浜田広介さんに可愛らしい童詩が沢山ある事を知って、一気に80曲を作曲したものゝ一つで、「忘れものLという題だった。その中に女郎蜘株が出て来る。

◆忘れもの
 じょろう蜘蛛 銀の小函の
 忘れもの さくらの枝に
 わすれたか 夏の河原に
 わすれたか おもいだされず
 巣にひとヤ 秋がくれて
 じょろう蜘味   (浜田廣介全集第11巻 14頁集 英社刊 昭和51年8月27日)

【・・・・・という短い童詩だった。
 浜田さんの童詩は、童詩の形は執っているが、全く子供に阿(おもね)るところが無いところを好きである。彼は、子供の世界に身を置いて、全く自分の心のために詩を書いた。
 そして、その姿勢が好きで、僕は同じ姿勢で曲を作った。この「忘れもの」にしても、最後の蜘蝶が女郎蜘珠であるところなど、子供にはそぐわないと思う。
 女郎などの語は、子供の教科書などには無いだろう。然し、浜田さんにとっては、秋は女郎蜘味なのであり、女郎蜘珠は秋なのであり、僕にとってもそうなのだから仕方が無い。 
 この歌は、出版はして残したけれども、格別宣伝する心算(つもり)も無い儘に放ってあるので、殆んど誰も知らず、殆んど知る人も居ないから、殆んど歌う人も居ない。
 秋が益々秋になって行く。・・・・團伊玖磨 明けても「パイプのけむり」第19巻】


まほろば・童謡の里 浜田広介記念館
 〒992-0334 山形県東置賜郡高畠町大字一本柳2110番地 TEL(0238)52-3838 
開館時間:月~土曜日 午前9時~午後5時(12月-3月・9時30分-5時)
休館日:毎週月曜日・祝日の翌日/年末年始(12月28日から1月4日)
※展示替え、資料整理のため臨時休舘する場合がありますので、ご確認ください。

        ホームページ 
http://www.takahata.or.jp/user./hirosuke/
hirosuke@omn.ne.jp
■交通のご案内・JR高畠駅より約2km・車で5分、徒歩で約20分
自転車で約10分、レンタサイクルもご利用になれます。(駐車場、駐輪場有り)・
東北自動車道福島飯板IC 国道13号線で1時間
山形自動車道山形蔵王IC 国道13号繚で1時間


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No 巻数 項目No 頁数 タイトル アサヒグラフ掲載時期 記録
1 11 07 51 ちらちらするのはあれは何 52.07.2908.0508.12 兎の飼育について。この時期浜田さんの詩に作曲
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3 19 42 245 女郎蜘蛛 63.10.28 女郎蜘蛛の生態「雄と雌」のこと。浜田の詩「忘れもの」に女郎蜘蛛がいる