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ダークダックス・唱歌〜その故郷と歌声
(CDブック)
キング CD NKCD-559 発売日:1991.07.10 価格:3,300円 【CDアルバム】1枚、【書籍】1冊
書  名 価 格 編 者 発行所 頁数 寸  法
唱歌〜その故郷と歌声(CD・BOOK) 3,300円 喜早 哲 立東社 120 160×215×14
 初版:1991.07.10  ISBN4−947544−05−8
No 項目名 頁数 備考
はじめに 3
01 牧場の朝 7 福島県岩瀬牧場のこと
02 節歌 17 奥好義、伊沢修二のこと
03 荒城の月 25 滝廉太郎、藤原義江のこと
04 故郷 37 高野辰之、岡野貞一の名コンビ
05 旅愁 55 犬童球渓のこと
06 早春賦 63 吉丸一昌、中田章のこと
07 歴史唱歌 69 「鎌倉」「青葉の笛」他
08 浜辺の歌 75 成田為三のこと
09 待ちぼうけ 87
あとがき 98
CD収録曲リスト 102
CD収録曲歌詞集 103
参考文献 118
No タイトル 作詩(訳詩) 作曲 編曲 備考 時間
1 牧場の朝
編曲(♪カンカンの追いかけなし)
杉村楚人冠
(杉村廣太郎)
船橋栄吉 中学国定教科書
(2)(T.7.1.8刊)
2:23
2 天長節 黒川真頼(まより) 奥好義(よしいさ) 官報第3037号
(M.26.8)
1:41
3 紀元節 高崎正風 伊沢修二 歌の発表
(M.21)
3:28
4 あわれの少女 大和田建樹 フォスター 明治唱歌(2)
(M.21.12)
2:53
5 野なかの薔薇 (近藤朔風) ウェルナー 女声唱歌(2)
(M.42.11)
2:23
6 ローレライ (近藤朔風) ジルヘル 女声唱歌(2)
(M.42.11)
2:38
7 星の界(よ) 杉谷代水 コンヴァース 教材統合中学唱歌(2)
(M.43.4.25刊)
2:01
8 埴生の宿(Harp伴奏) 里見義 ビショップ 中学唱歌集
(M.22.12)
2:54
9 (Pf伴奏)(2番-4人順番にソロ) 武島羽衣 滝廉太郎 (M.33.12) 2:12
10 荒城の月(Pf伴奏)(4-T2) 土井晩翠 滝廉太郎 中学唱歌
(M.34.3)
4:40
11 箱根八里(伴奏付)
(♪箱根の山は天下の剣・・・)
鳥居忱(まこと) 滝廉太郎 中学唱歌
(M.43.3)
2:34
12 春が来た 高野辰之 岡野貞一 尋常小学読本唱歌(M.43.7) 1:29
13 故郷 高野辰之 岡野貞一 尋常小学唱歌(6)(T.3.6) 1:53
14 紅葉 高野辰之 岡野貞一 尋常小学唱歌(2)(M.44.6) 1:45
15 朧月夜 高野辰之 岡野貞一 尋常小学唱歌(6)(T.3.6) 2:05
16 春の小川 高野辰之 岡野貞一 尋常小学唱歌(4)(T.1.12) 2:32
17 一寸法師 巖谷小波 田村虎蔵 尋常小学唱歌(1-中)(M.38刊) 1:52
18 牛若丸 文部省唱歌 田村虎蔵 尋常小学唱歌(6)(T.3.6) 1:11
19 旅愁 犬童球渓 オードウェイ 中学唱歌集
(M.40.8刊)
2:51
20 早春賦
(全編T1がメロディー)
吉丸一昌 中田章 新作唱歌第3集
(M.45.7-T.4.10)
2:54
21 水師営の会見 佐々木信綱 岡野貞一 尋常小学読本唱歌(M.43) 3:43
22 鎌倉 芳賀矢一 不詳
文部省唱歌
尋常小学読本唱歌(M.43) 4:06
23 児島高徳 文部省唱歌 岡野貞一 尋常小学唱歌(6)(M.39) 2:39
24 青葉の笛 大和田建樹 田村虎蔵 尋常小学唱歌(M.39刊) 1:53
25 浜辺の歌
(Pf伴奏)
(2-T1)
林古渓 成田為三 セノオ楽譜(98)(T.7.10) 1:56
26 待ちぼうけ
(
・・せっせと・・・・)
北原白秋 山田耕筰 南満州教育会副読本(T.14刊) 2:15
27 ペチカ
(Cel伴奏)
北原白秋 山田耕筰 3番省略
◆南満州教育会副読本(T.14刊)
◆子供の村
(T.14。5)
2:20
                                 合計 1:09:00
上記資料は本文参照 略号=T:大正、M:明治 
 ダークダックスのメンバーが演奏会会場の曲間でコメントするユーモアを交えた歌にまつわる解説は、分かりやすく定評がある。私なんか、ぞうさんの低音のとつとつとした話し振りが印象深い。一語一語をまるで豊潤なコーヒーのブレンドを確かめるように、喉の奥で言葉の玉を転がし、舌や唇で言葉の味を確かめ、声となって聴衆の耳に届いたと思うとき黒縁の眼鏡の奥底で安心したような笑みを浮かべているように感じるのだ。
 もちろん、メンバーの語りにはそれぞれ個性があって、ゲタさんの歯切れの良い江戸弁、涼風が吹きすぎるような爽やかな佐々木さんの語り、パクさんの幼稚園の先生が幼児を諭すようなやさしい話し方、それぞれに表情から読み取れるものは、歌の真底に流れる時代の反映や詩が伝えようとする心の極みをどうしたら伝えられるだろうかという真摯な姿での解説なのだ。
 ゲタさんの話しによれば、聴衆に受けた歌は拾ってきた歌が多いと言う「北上夜曲」「山男の歌」「雪山讃歌」しかりだと冗談交じりに話す。このような話しに聴衆は、固唾を呑む。そして、イントロが終わってハーモニーがスタートすると、聴衆は抵抗なく歌の中に没入してしまうのである。
 この本では、「唱歌」をテーマにしてその歌の発祥のエピソードを事細かに記されている。
 舞台に上げる解説には、綿密な下調べが必要となる。詩人の経歴、作曲者との関係、時代背景、音楽学に関する事柄を載せなければならない。
 リサイタルを開催する地方での唱歌に関わる人との出会いを核に、作詞作曲の経緯を語っている。
 「蛍の光」「仰げば尊し」などの節歌は、今も聴くと別れの哀しみが胸に迫り、「紀元節」「天長節」「明治節」を聴くと、父親が来賓席に座り、来賓挨拶で下手な演説をするのが私にとって非常な迷惑だった「おい。お前の親父が偉そうに演説してるぞ」悪童達はそう言って私を突いたのである。だから、式歌を早く歌って式が終わることを祈ったのである。
 でも、海軍記念日や陸軍記念日には、陸軍や海軍の勲章を沢山着けた偉そうな人が、黒板や模型を使って戦争の模様や戦果を話し、これはその偉そうな人が話術に長けていた所為か、時のたつのも忘れて聞き入ったのである。
 とくに、日露戦争の海軍勝利の話は面白かった。東郷平八郎大将は、1905年5月27〜28日本海海戦でロシアのバルチック艦隊を壊滅させ,一躍名将としての名をあげた。小学3年生の頃である。
 私や多くの聴衆がダークダックスの歌に思いを馳せるとき、同時代を過ごしたメンバーの心の中に去来するのは、何なのだろう。
 大きな時代の激流を捉え、歌った歴史も刻まれている解説書には、データー重視のゲタ(喜早)さんの博識と相まって得意とするところなのだろう。添付のCDと共にゲタさんの文章と日本が今ある歴史以前に何があったのか検証比較するのも良いのではないだろうか。(早崎日出太)